過去のわたし
毎月1回 大人の水彩画講座を受けています。今は層技法で4つの気質を描いています。それぞれの課題で描いているので、四季を描いたり、一つ前の課題の絵をじっくり書いている方も・・・それぞれ時間が流れています。
層技法というのはとても薄い色の絵の具を乾かしながら塗り重ねていく方法です。最初は見えないほど薄いのですが、どんどん塗り重ねていくと重なった部分が濃くなり美しい濃淡が浮き上がってとても気持ちがいいのです。まだ偶然に近い感じでそれを楽しんでいますが、狙って描けるようになってらステキだな・・・なんて思っています。
過去の私の色は何色だったのでしょうか?層技法の絵のように塗り重ねられて作られた今の私自身はどんな“絵”になっているのでしょうか?
なぜこんな唐突にこの話が出たかというと・・・実は27年ぶりの同窓会があったのです。四半世紀以上たったなんてびっくり!!!
第2 7年期の私は迷路の中にいました。その迷路は人それぞれ違うのでしょうが、私の中にはその迷路で迷っていたころの記憶が確実に残っています。その中はいやな物ばかりではありませんでしたが・・・冒険に挑んでいるようなワクワクした感覚や甘酸っぱい感覚もあったのですが・・記憶というものは反感の作用で刻まれるので、表面に出てくる物はたいがいあまり歓迎できない要素があったりします。
そんなことで・・・なんとなく行くことを躊躇する私なのでした。隠したい過去の自分。それを知っている人たちと合う。今の私を見たらどんな反応をするのか、どんな印象をもたれるのか?イヤイヤ・・・私の存在なんか他の人たちの人生の中では通過点だよ!考えすぎ?うぬぼれ?・・・やっぱり私って めんどくさい はぁ~
そんなこんなで、本当に会いたい人たちもいることだし、めんどくさい自分はおいといて行ってきました。
もう! ホントに! びっくり!!! 時間は確実に流れているんだぁ! すごい!!! 変わってる… 私も そうなのか おぉ~ 360℃自分を見ることはできないんだなぁ。視野の広さって 言葉の中には表しきれないほどの深さがある。
その中で私が改めて思ったこと。
私は私の作った感情の中にいてその中で縛られている。
色々話した中で、私の感じた感情とはまったく別の角度からみた感情を感じていること、私が忘れる事のないような出来事もその人にとっては全く意味のない記憶にも残らないことだったこと。
私がそのことを経験し様々な感情の中で悩み苦しみ喜び・・・その中から成長した事が今の私を創っていることは明らかで、私の中の感情は宝物でもあるけれど。この年になってはじめて支配されていた事に気がついた。
自分で作った感情なのに自分自身がその中から抜けることが出来なくなっていたなんて・・・。やっと気づいただけだからこの支配からはなかなか抜けることは出来ないし、今後も自分で自分を縛ってしまうこともあるのでしょうが・・。そんな自分もなんとなく受け入れられるような気がしてきました。
だからといってすべてが解消されたわけではないので、まだしばらく「めんどくさい」私と付き合わなくてはいけないと思います。
そうそう 最初に書いた層技法を用いて描かれた花の絵・・アレキサンダー・ヴィンター氏のとても素晴らしいこの絵をご紹介します。(ポストカードで取り扱っています)
『一年の季節の中で植物がどのようなありようをしているか、というものを絵にしたもので、植物本体だけでなく、水、空気、光、熱など植物を取り巻くものも一緒に描き込まれています。』
という説明を読んでまさに納得。ご紹介は5月 6月 7月 の絵です。