早春の花

息子の卒業制作展に行きました。

各学部、大学院の方々の力作は

まるで、現代アートの美術館に来ているようで、本当に素晴らしく

学生たちの夢と未来への希望と

この場で培った学びの尊さと確かさ

そんな思いが積み重なった場の力が心の隅々まで感じられる

ぼーっとしたしまうほど感心・感動しました。

息子の学部へ向かう途中のエレベーターやトイレ・階段も、全て芸術とユーモアに溢れていました。

会場の受付に座っていた彼は、私たちの顔を見ると、

とっさに、

『あっ』

と、ほんの一瞬(母は見逃しません😙)嬉しそうな顔をして

すぐに目線をそらし、めちゃくちゃ照れ臭そうに

敬語で話しました。

『なんか買っていって下さい。』

彼は卒業制作で小説を書き、単行本サイズの本をつくりました。

自主制作なので、ほんの少しですが。

親バカなので、親戚に配る分まで買いました。

春からは、今度は関東で目指してきた仕事をする…修行がはじまります。

買った人は、飲み物のサービスがあるらしく、その会場内に学生たちが開いてる、おしゃれなカフェで、一息入れました。

カフェの女の子に

『今日はなぜこちらにいらしたんですか?』

『息子が…あそこにいる…彼の母です』

と、話すと。

そのカフェ担当の子たちが、ざわざわ、にこにこと、息子の方を見ながら

『めっちゃ気恥ずかしそうにしてる』

『じゃあ、岐阜からいらんたんですね』

『ウチは恥ずかしくて、親に言ってないわぁ』

などと、おしゃべりしました。

その空気感が…

私の知らない確かな時間の積み重ねの中で

彼らがもった、ある種の独特の信頼関係と、距離感を感じられ

あぁ、彼は自分の空間を持っていたんだ…

と、妙に安堵しました。

エーテルとアストラルで感じれる感覚。

21歳の彼は、ムーンノードを過ぎ、受け取る時代の最後にいます。

これからは、自分の人生を自分で創り上げていく時代にはいります。

21〜28歳までの第4  7年期にある彼が創り上げる、彼自身は

私も関わることは間違いありませんが、

メインディッシュの添え物のサラダのような関係とでも言うのでしょうか。

まだ、天使が離れる時代の前に

どうか  どうか  困難さも含めて 素晴らしい経験となりますように

心と体の健康は大前提に…

と、祈らざるを得ません。

丹羽敏雄先生の、シュタイナー的なホロスコープの講座で

ホロスコープはカルマを補完する…

というお話を伺い

親の特権で彼のホロスコープを見た時

この子は私とは全く別の人格で、自分自身で彼の今世のための人生を創り上げる力を宿しているんだ…

と、感情ではない部分で納得しました。

当たり前といえば当たり前のことを、私は改めて腑に落ちる…腹に落ちる?感覚を得たのです。

そのことは、

アントロポゾフィーを学んできたことに感謝する事の大きな1つだと思います。

でも…

小さかった彼は、私の中では生き生きと印象の世界にあり

初めて大学に行くために寮に引っ越し、彼をおいて私たちだけ帰りるとき

まるで、初めて保育園においてきた時のような気持ちになり

そして、今も

彼の世界を認めながらも、離れがたい感傷的な感覚があります。

この感覚を、否定するのではなく

愚かだけれど味わうことが、私の要素となり自分を生きる糧になると信じています。

そんな思いに浸りながら

まだ寒さが厳しい早春の京都を楽しみました。