感謝と尊敬と共に

これは、中日新聞に掲載された記事です。

最後に一言…

「高橋巌氏は先月末、奇しくもシュタイナーの命日に急逝し…」

と、書かれています。

2024年3月30日…95歳

お亡くなりになった日、私たちはバイオグラフィワーカーのなかの希望者で

「神秘学概論」の読書会をオンラインでしていました。

高橋巌さんの訳の本で、何度読んでも難解で 何度読んでも新たな気付きがある本です。

きっと一生かけても、本当に理解することはできないだろうけど、

一生かけて読み解き続けることが、”生””日常”のなかの修行なのでしょう。

「シュタイナーの本はそれを読むこと自体が修行で、霊的な成長となっている」

その本を翻訳し、それを私たちに手渡してくださり、なおかつ自らを律しつつ精進し続けている…

なんと素晴らしい・・・

 

先日この新聞を機に、その事実を知ることができ

心の中に、何とも言い表すことのできない思いが渦巻いています。

 

私は2022年の4月22日からの朝日カルチャーセンター「シュタイナー研究」の講座で

オンラインの講義を受けていました。

高橋巌先生は、私にとっては雲の上の存在で実際にお会いすることはないのだろうな…と思っていました。

が、バイオグラフィーワーカーが京都の講座で高橋先生にお会いしており

そのつながりで、オンラインの講座を受けられることを知りました。

出来れば実際にお会いしたかったのですが、諸事情でかなわず

ならばせめて!とオンラインの講座を受講することにしました。

 

その時先生は93歳になられたばかり

私は画面越しではありますが、そのお姿を拝見した時に、なんだか感動してしまいました。

そして、画面を通しても伝わる雰囲気に圧倒されました。

謙虚で真摯な話しぶりは 内容もさることながら私の胸に大きな印象を与えてくださいました。

 

パイオニアの彼らがいなければ、

私たちにバトンを手渡してくださる方々がいなければ、

真摯な気持ちで思いをつなげようとして下さらなければ、

どんなに言葉を尽くしても、上手く表現できませんが

今の私の一部は違ったものになっていたでしょうし

私自身が違うものになっていたかもしれません。

 

どんなものでも、本物は時間とともに内側の実となります

今の世の中で、本物と言えるものに出会えることは「幸福」以外の何物でもありません。

本物に出会えると、魂が動きます。

そして、必ず「誘惑」も伴います。

誘惑は堕落にもなりますが、それをしっかりと見つめることで、その先の真実を自分の中に見出すことができます。

なにが大切かということを、本物と偽物を見極める中で「力」となるのではないかと思うのです。

 

高橋巌さんには、実際にお会いすることがなかったのですが

『縁』はいただいたと思っています。

 

シュタイナーの哲学=アントロポゾフィーでは『死後の生』という概念があります。

 

私のこの真実の思いが『死後の生』でほんの少しであっても光となりますよう。

 

心から、感謝と尊敬をおくります。

 

ありがとうございました